2008年に公開された、実話をモデルにしたフィクション。
病気の妻を救うため、北朝鮮から中国へ出稼ぎに行った父。しかし密入国者として当局に追われ、韓国へと逃げる結果となった。
残された妻は亡くなり、友人の助けも期待できなくなり、残された息子はひとりで国境へと向かう。
おそらく、分断された家族は、分断された国家のなぞらえなのだろう。
現実の証言をモデルとしたらしい脱北行の過程はリアルだが、断片を提示するだけなので、教育映画のように表面をなでていくだけ。
とはいえ、いくつもの苦難がふりかかる息子の脱出劇と、その痛々しい結末は、胸にしみるものがある。