実録サスペンス『殺人の追憶』で絶賛されたポン・ジュノ監督が、今度は怪獣映画で傑作をはなった。
はじまりは在韓米軍基地からの薬品流出。それが漢江の水棲生物を怪物化させてしまった。
怪物は白昼堂々と人々を襲い、喰らい、連れ去る。怪獣映画では珍しく、早々と怪獣の正体と撃退法がわかっていくのだが、対処方法をめぐって紛糾する。
つれさられた少女を救うには、家族が力をあわせるしかなかったのだ……
あまり怪獣映画の経験がない韓国映画だからこそ、スピーディーに物語が進行していく。怪獣の登場をもったいつけず、物語の序盤で暴れまわらせるのも面白い。
『ロード・オブ・ザ・リング』で知られるWETAがVFXを担当しており、CG怪獣のクオリティも高い。
日本でも、興行こそふるわなかったが、『キネマ旬報』のベストテンや『映画秘宝』の年間ベストに選ばれるくらい批評家筋の評価は高かった。