2016年の日本映画が初無料配信。すでに前編の『上の句』*1は無料配信終了。
連載途中の漫画を実写化して、そこから主人公の少女が現クイーンと同じ土俵にたどりつくまでを描いた。
どのような試合も基本的に敵と一対一で戦う競技の特性を描くことに徹して、そこから集団戦と個人戦というコントラストを強調。それが主人公とクイーンのライバル関係へ重なっていく。
小泉徳宏監督が脚本も担当して、描くべき要点をしぼりこみ、長い物語を2時間以内に圧縮しながら説明不足にならず、一本の映画としてまとまっていた。
残念ながら映像表現はTVドラマの延長線上だが、若手俳優がブザマなまでにひたむきな姿を演じて、指導者を演じる國村準が画面を引きしめているので、ちゃんと見ていられる。
部活動の障害となった吹奏楽部の練習の解決を、映画の山場にもってきた構成もよくできている。描写そのものは原作にもあるが、対立している存在とも向きあって、いつかつながることができるという主題を、音響面で支えていた。