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原作は日本映画。記憶喪失と立場交代から始まるサスペンスコメディ『LUCK-KEY/ラッキー』(01:52:55)配信期間:2019年10月1日~10月31日

銭湯で頭を打って記憶喪失になった仕事人と、銭湯で仕事人の鍵を手に入れて裕福な暮らしを手に入れた売れない俳優。その数奇な運命の結末まで描く。

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タイトルは“ラッキー”と“幸運の鍵”のダブルミーニング

古典児童文学『王子と乞食』に始まる、社会的に異なる立場を経験していく物語を、不都合な人間の始末を請け負う男と、売れない若手俳優という設定で描いた。

仕事人を演じるのは名脇役のユ・ヘジンで、そのスキルで記憶喪失後もアクション俳優や料理人を好演。残酷な殺し屋にしか見えない導入から、驚きの展開が待ちうけている。

 

原作は内田けんじ監督のオリジナル脚本による映画『鍵泥棒のメソッド』。若手俳優も公平に描いた原作に対して、韓国映画はアクの強い中年男性が違った立場で成功していく面白味に重点を置いている。

名優を集めながらも低予算をアイデアで突破した原作に対して、リメイクの韓国映画は劇中のドラマ撮影も終盤のアクションもスケールアップ。工場での血みどろアクションは劇中劇と理解してなお素晴らしい。

 

ただ、そうして全体がスケールアップしているだけに、中年と若者の両方が俳優としても成功していく結末には違和感があった。

何しろ、殺し屋として大立ち回りを演じて、両方が死んだかのように見せかけることで問題から逃げだせたのだから。

せめて殺し屋を演じて依頼人の前に現れる時はふたりとも顔を隠したままにするべきだったろう。

オリジナルシナリオの緻密さなど、個人の技量が左右する局面では、まだまだ日本映画も韓国映画より優れていることがある。