EXILEによる総合映像プロジェクトの、2017年に公開された完結編。新作の公開にあわせて、早くも初無料配信。
実写版『るろうに剣心』の大内貴仁をアクション監督にむかえ、日本映画としてはトップクラスに楽しく新しいバトルを展開してきたシリーズ。
さすがに物語を閉じる今回は、日常シーンに尺をさいている。これからもケンカを楽しむという作りではなく、戦いを楽しめる日々の終わりが描かれた。
不発に終わった2作目の告発は、さらに裏に陰謀が隠されていた。そこから1作目の無名街の爆破とつながり、無名街のリーダーであるスモーキーの病弱設定に結びつく展開は、たぶん後づけだと思うが悪くない。
しかし、それゆえ廃墟の街をパルクールで疾走していたスモーキーたちの活躍が今回は少ない。新たな無名街の爆破はセットを爆破するだけなので、ミニチュアやVFXといった特殊撮影を楽しむこともできず、前回の爆破と規模が大差ないようにも見えてしまう。
陽気なエンタメとしての良さは消え去り、相変わらず力の入ったアクションも逃げまどったり時間稼ぎする局面が多くて、あまりカタルシスはない。この作品のキャラクターが好きな人向けのドラマとしては正しいのだろうが。
もちろん中盤の建物を縦横にかけめぐる高低差を使ったアクションや、最後の無名街を出入りする大騒乱などはよくできている。そこだけでもアクション好きならチェックして損はないのだが。