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心中の百合で無理心中に呪われた女学園ホラー『劇場版 零~ゼロ~』(01:44:57)配信期間:2019年8月4日~9月3日

2014年に公開されたホラー映画。『呪怨~黒い少女~』の安里麻里が監督と脚本を担当。

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深夜の日付が変わる瞬間に写真へ口づけすると、相手が想ってくれるという呪い。それを美しい同級生「アヤ」にかけた少女たちが、次々に行方不明になっていく……

 

ホラーゲームが原案だが、映画の直接の原作はゲームを原作とする大塚英志の小説『零 ~ゼロ~ 女の子だけがかかる呪い』。大塚英志原作の長期連載漫画『黒鷺死体宅配便』のキャラクターもカメオ出演する。

原作ゲームとは大きく設定が異なるらしくファンからの評価は低いようだし、ホラー映画としても恐怖はさほどではないが、しかしモラトリアムなレズビアニズムを描いた恐怖映画としては悪くない。

 

とにかく少女たちが恋する「アヤ」の写真がいい。美しさと恐ろしさの境界線上で、ただ映るだけでホラーな雰囲気をもりあげる。

やがて少女たちの前に現れる「アヤ」の幻影は、あまりに超常的すぎて、やりすぎで怖くない場面も多いのだが、これも静止している時の雰囲気はいい。

演じるモデルが良かったのだろう、「アヤ」の写真をめぐるひとつの逆転劇からの、ぐっと雰囲気を変えた演技も魅力的だ。

遠くに見える普通の市街地と対比したり、急に現実的な捜査風景が映ったりして、あくまで閉じこもった女学園が人工的な場所であると表現したところも、モラトリアムな青春映画らしさがあった。

 

物語は、「アヤ」と思われた被写体が別ルートで撮影された「双子の霊」という設定の開示から、霊が何を求めていたかという謎解きへ移行していく。

最後まで見てふりかえると、女学生を恐怖させる「マヤ」が決定的に「傷つける」場面はなく、あくまで「助けを求めているだけ」と納得できる。くりかえされる台詞は、言葉通りの意味だったのだ。

物理的に「傷つけていた」のは全て「マヤの死体」を隠していた「姉弟」と、かつて「心中」に失敗して恋人へ「生贄をささげ」ようとした「学園長」だけだ。

 

呪いへの対処が勢いまかせなところや、カメオ出演のキャラクターが雰囲気を壊しているところもあったが、ホラー映画として許容できる範囲。

どんでん返しも謎解きもしっかりしていて、百合映画としてキスシーンもしっかり描写。けして悪くない作品だ。