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ディストピア社会の秩序を維持するダークヒーローの佳作『ジャッジドレッド』(01:35:34)配信期間:2018年7月12日~25日

英国のコミックを原作とした、2012年のSFアクション映画。『バンテージポイント』のピート・トラヴィス監督作品。R15なのでログイン必須。

gyao.yahoo.co.jp

1995年にもシルベスター・スタローンの主演で映画化されたが、特徴的なマスクをすぐ脱いだりして、評価は低かった。

対するこちらは、主演男優が最後までヘルメットをかぶったままという、意欲的な演出が素晴らしい。相棒の新米女性刑事は、超能力者という設定で自然にヘルメットを脱がせて、美しい素顔をさらしたままというのも気がきいている。

物語のまとまりもいい。近未来のスラム化した超高層建築ひとつを舞台として、犯罪組織と治安組織の攻防にしぼっている。目新しさはないものの、吹き抜け構造を利用した戦闘描写や、精神を遅らすドラッグ「スローモー」などの設定を無駄なく使いきって、オーソドックスなバディものとしてまとめていた。

日本の漫画『ワイルド7』を思わせる、捜査官が裁判と執行を現場でおこなう設定でディストピア感を演出しつつ、犯罪者を血祭りにあげるだけのようで一線を守っていることを多くを語らず描写しているのもいい。

 

VFXやセットの規模感、完成度もハリウッド映画にひけをとらないし、ハリウッドが避けそうな人体破壊描写を正面から映すことの興奮もある。

約1時間半とSF大作にしては短くまとまっているし、一見の価値はある佳作だ。