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ソリッドシチュエーションホラーというジャンルを生んだ人気作『SAW2』(01:32:51)『SAW3』(01:53:51)『SAW4』(01:35:37)配信期間:2017年10月18日~2017年10月31日

低予算でも舞台を限定してゲーム的なホラーを作れることを証明したシリーズの過去作が無料配信。R15なので要ログイン。

gyao.yahoo.co.jp

謎の人形を使って、映像を通して被害者へゲームを強要する殺人鬼「ジグソウ」が、さまざまなシチュエーションで被害者に試練を与え、惨殺していく。

トリックによるビックリドッキリな殺害方法と、映像作品ならではトリックで意外な展開を見せることで人気となった。

低予算なわりに意外と複数の建物で撮影しているように見えるが、たとえば『SAW2』では同じ撮影スタジオの建物ひとつだけを使って、映す部分や照明で違う場所のように見せているという。序盤の海辺も同じ場所でカメラの方向を変えただけというから驚きだ。

 

ただし前作のネタを冒頭で明かして逆転していく作品なのに、初代の『SAW』はプレミアム見放題のみの配信。

以前に初代を視聴して真相を知っている人のみ、続編の視聴をすすめる。以下、無料配信されている作品のみ簡単に説明する。

 

SAW2』は、クローズドサークル物と呼ばれる推理小説のジャンルに近い。嵐の山荘や船のない孤島に閉じこめられ、人数が制限された状況で事件が起きるというジャンルだ。

その閉鎖環境を「ジグソウ」が人工的につくり、そこで被害者が惨殺される映像を見ながら手をこまねくしかない警官の戦いを描く。

被害者のなかに共犯者がいる」のは本格ミステリとして「手がかりがなく」てアンフェアだが、クローズドサークル物の「定番かつ古典の引用」なので「許せる」ところか。

それより、あたかも「リアルタイムに見せかけた映像」が「録画されたもの」というトリックは素晴らしかった。いわゆる「叙述トリック」に近くて、なおかつその「時系列のずれ」が「ジグソウ」のしかけたゲームを成立させる。

 

SAW3』も、ふたつの視点で異なる事件が描かれるという意味では前作に近い。「ジグソウ」とは無関係な事件への復讐をしようとする男と、病院に行けない「ジグソウ」への治療を強要させられた医者の、ふたつの戦いを見せていく。

こちらは見ていて真相に気づきやすい。前作に対して今作は「リアルタイムであること」が「ジグソウ」にとって重要なのだが、少しずつ語られる情報から「人間関係」の見当をつけることがたやすいのだ。

せめてキャラクターを「女性医師」ではなく「ゲイの男性医師」にするか、両方「レズビアンのカップル」に設定して、子供を「養子でも大切」というドラマで回想して、「ふたつの視点の関係」の意外性で驚かせてほしかった。

「ジグソウ」の台詞のひとつひとつが、「最後に異なる意味」をもってつきつけられるカタルシスはあったが、物語構造に気づくとそれも弱い。

 

『SAW4』は、今回は「ジグソウ」がしかけておいた理不尽なゲームに、追いかける捜査官たちがはまっていく。

ひとつの理不尽なルールを強要するだけなので、前作までと違って映像的に楽しめるどんでん返しはない。ひとつひとつのゲームの展開にはおもしろいところもあるが、あせっているとはいえ捜査官の対応が下手なので、見ていてストレスが溜まった。

どちらかといえば『SAW5』以降に新たなシリーズが始まることを知らせる、転換点的な作品と考えるべきか。