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フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

子供たちだけで世界を救う、細田守監督の最高傑作『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(40分47秒)配信期間:2018年3月16日~4月16日

2000年に公開され、好事家に絶賛された中編映画が、玩具「超進化魂 03 ディアボロモン」の発売を記念して、全編を初無料配信。前後に映画の演出を意識した玩具CMあり。

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もとは仮想現実空間に入ってモンスターを使役して戦う作品を、仮想現実の外からモンスターに指示する物語として展開。いくつもの事態が同時並行しつつ、カタルシスあふれる結末にいたる、すがすがしい作品だ。

2000年には珍しくリアリティあるインターネット描写と、テンポ良く進んでいくアクションとサスペンス、影無しで作画されたキャラクターの生命感が全編に満ち溢れていて、いまだまったく内容が古びていない。

 なお、TVアニメ『デジモンアドベンチャー』の劇場版であり、いくつかTV版の設定や人間関係を押さえておくと、さらに楽しめるだろう。

 

この作品で細田監督は業界内での注目をあび、東映からスタジオジブリに出向。『ハウルの動く城』を監督していたが、制作途中で降板して、東映に戻ることとなった。

しかしそうした挫折をへて、別会社マッドハウスで監督した『時をかける少女』で国内外から絶賛。つづけたオリジナル作品でも商業的ヒットをつづけている。

そうしたヒット作品のひとつ『サマーウォーズ』の原型として、この『ぼくらのウォーゲーム!』があるともいえる。デジタル空間の表現や、クライマックスの演出などを見ればリメイクに近いといっていいくらいだ。

しかも中編だけあって内容が凝縮されていて、登場人物も整理されていて無駄がない。SFとしてのツッコミどころも、デジモンという架空の存在に集約することで、リアリティが壊れない。

アニメ業界を舞台とした、お仕事アニメ『SHIROBAKO』(全24話)配信開始:2018年4月1日

水島努監督のオリジナル作品として、2014年から半年かけて放映されたTVアニメが、日木に1話ずつ配信開始。

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主人公の役職は制作進行。アニメ制作のスケジュール管理や素材受け渡しを担当する、重要な立場で、さまざまな現場のドラマを目撃したり媒介することとなる。

そして幅広い年齢と立場の、個性的な職人たちが衝突しながら、ひとつの作品を完成へ導いていく。

 

成人男女ばかり登場するオリジナルアニメとして貴重だし、アニメがどのように作られているのかをコメディタッチで楽しく知ることができる。

目標をもって仕事にうちこむ視聴者への賛歌としてもよくできている。いまだ根強いファンがいるのも当然の作品だ。

手塚眞監督によるTVアニメを延長した劇場版+同時上映短編『ブラック・ジャック ふたりの黒い医者』(01:32:30)『Dr.ピノコの森の冒険』(00:07:02)配信終了日:2018年4月8日

2004年から2006年にかけて放映されたTVアニメと同時進行で公開された2005年のアニメ映画を、2015年の初配信からひさしぶりに配信。

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本編についてはくりかえしになるが、映画作品なのに、あまり作画が良くなかったTVアニメと印象がほとんど変わらない。良かったのは中盤、杉野昭夫らしい濃い絵柄になった場面と、EDの静止画くらいだ。スタッフが継続した続編TVアニメ『ブラック・ジャック21』で向上した作画に負けている。

ひとつながりの物語なのに、複数の原作を安易につなげているため、悪い意味でオムニバス映画のよう。それなりに意味のあるキリコとの対決すら、1時間半の物語には長すぎたと感じられる。

根本がアニメオリジナルなのだから、製薬会社の陰謀によるテロ活動に必要な部分だけにしてほしい。「湯治場の二人」から引用するくらいなら、キリコの過去話をアニメオリジナルでふくらませるくらいの工夫があっても良かった。

 

一方、初無料配信の短編は、ピノコにくわえて、TV版でマスコット的にフィーチャーされていたシャラクも登場。ただ動物を助けるだけかと思いきや、手塚治虫らしいファンタジーへと移行。

そこそこ映像が整っていて、あくまで子供向けアニメと思えば悪くない。CGも本編より効果的に活用されている。