自転車レース漫画のTVアニメ3期が一週間の全話無料配信。
主人公が敬愛する先輩世代との別離、主人公を尊敬する新世代の入学、主人公たちの同学年でくすぶっていた少年の最後のあがき、そして新たなレースまでが描かれる。
手描き作画と3DCGを組みあわせた自転車描写は円熟のきわみに達して、スポーツの健やかさを正面から描いていて、1期のブームは落ちついたとはいえ悪い作品ではけしてない。
自転車レース漫画のTVアニメ3期が一週間の全話無料配信。
主人公が敬愛する先輩世代との別離、主人公を尊敬する新世代の入学、主人公たちの同学年でくすぶっていた少年の最後のあがき、そして新たなレースまでが描かれる。
手描き作画と3DCGを組みあわせた自転車描写は円熟のきわみに達して、スポーツの健やかさを正面から描いていて、1期のブームは落ちついたとはいえ悪い作品ではけしてない。
自転車レース漫画を原作として大ヒットしたTVアニメから、そのままスタッフがスライドした完全新作映画。2017年夏につづいて2度目の無料配信*1。
ストーリーは原作者が原案を担当。インターハイの決着がついたTVアニメ2期の最終回ごろから、主人公の先輩巻島が旅立つ3期序盤あたりまでの短い時間を描く。
熊本火の国レースは劇中でも非公式あつかいだが、インターハイの雪辱を期して、TVアニメ1期2期の各ライバルチームが再結集。巻島が欠けた主人公チームにいどむ。
物語はTVアニメの延長だが、この映画だけでも最低限の説明はなされており、きちんとまとまっている。
登場人物が多いので、TVアニメや原作漫画で事前情報を持っているほど楽しめるだろうが、主人公のオタクぶりなど本筋にかかわる情報は序盤にきちんと描かれている。
映像もTVアニメと比べて違和感なく、かつ全体的にスクリーン映えするようクオリティアップ。特に冒頭の秋葉原は背景美術がリアルで、キャラクター作画も引いたカメラワークで映画らしい風格を感じさせる。
くまモンが公式ライセンスで全面的に登場することや、熊本の街並みや山並みの風景も目新しいのも楽しい。
ただ、インターハイで活躍しなかった熊本チームが、今度は地形を知っているなどの優位性をにおわせたわりに、実戦ではパッとしない。
この映画で初登場となったエースも、主人公やライバルを抜いたのは1度だけで、すぐ抜き去られて記録にも残らない。先輩が抜けて気落ちしている主人公を見て、その実力を低く見積もっていたという失態つき。
そもそも劇中でもホームの人気こそ集めているが実力では格落ちチームあつかいされている。あくまで映画限定のゲストであり、本筋を邪魔しないため強くさせなかったととらえるべきだろうか。
6体のロボットが合体する、1981年のTVアニメを、女性人気を受けて1982年に映画化。夏につづいて*1、無料配信を1週間。
横山光輝による、異星人が地球人を裁定するためにロボットをおくりこむ漫画『マーズ』。遺跡をモチーフにしたロボットデザインと、あまりに印象的な結末は、いまなお前衛的に感じられる。
そのような漫画を原作としながら、幼少時に地球におくりこまれた異星人が地球側につく部分と、一部のネーミングだけを活用して、ごく普通のロボットアニメとして展開したのが『六神合体ゴッドマーズ』だった。
もちろん侵略異星人の一部が地球側の反抗手段となる設定だけなら1977年の『超電磁マシーン ボルテスV』などの先例があるわけで、さほど斬新なTVアニメではなかったのだが、本橋秀之による美形なキャラクターデザインと担当声優がアニメファンに受け、金田伊功の流れをくむロボットアクションも評価が高く、当時は大人気となった。
そして女性ファンの人気を受けて制作されたのが、この映画というわけである。今ならばクラウドファンディング映画で見られるような、署名活動に参加した女性ファンが長々とクレジットされるエンドロールがすごい。
映画そのものは、人気の高い兄弟愛にストーリーを集約したことが、映画としてのまとまりの良さを生んでいる。主人公のマーズまわりの地球人メンバーの描写が少ないことで異星出身の孤独がうかびあがり、疑似的な父に洗脳されてマーグが襲ってくる流れもわかりやすい。
TV版でも合体後にほとんど動かず、必殺技を出す状態にすぎなかったゴッドマーズを、劇場版ではクライマックスで初めて合体させるという改変も悪くない。ロボットの姿で物語の連続性を強めつつ、合体による逆転の爽快感を高めていた。
さすがに今となっては作画も物語も古いが、時代性を考慮すればひとつの物語としてTV版を知らずとも楽しめるだろう。