ふむめも@はてな

フリームービーメモ。GYAO!、YOUTUBE、バンダイチャンネル、ニコニコ動画、等々で公式に無料配信されているアニメや映画の情報や感想

七つの大罪になぞらえた連続殺人の暗い顛末『セブン』(02:07:04)配信期間:2017年11月18日~2018年1月26日

ブラッド・ピット主演で1995年に公開され、陰鬱なサイコスリラーとして絶賛された作品が約3ヶ月無料配信。

gyao.yahoo.co.jp

 デヴィッド・フィンチャー監督の長編映画2作目で、映画作家としての正当な評価をえられた作品でもある。

長編映画1作目の『エイリアン3』は何度も脚本を変更した挙句、尻ぬぐいのような立場で監督に選ばれ、興行も評価もふるわなかった。

 

推理ドラマのような強烈などんでん返しというほどのものはないが、当時のブラッド・ピットが事件を追う刑事を演じながら、この顛末をむかえることは驚きをもってむかえられた。

よりショッキングなスリラーやサスペンスがあまたある現在では、当時ほどの衝撃はないかもしれないが、雨のよく降る湿っぽい映像により、重苦しい雰囲気に身をゆだねる暗い楽しみにあふれている。

 

日露戦争の海上決戦を描く、東映戦争3部作の3作目『日本海大海戦 海ゆかば』(02:11:09)配信期間:2017年10月29日~2017年11月28日

8月に配信された2作目『大日本帝国』につづき、1983年に公開された3作目も初無料配信。

大作ながらコンセプトが明快で、大味に感じさせない戦争映画。あまり語られないことが意外なほど完成度は高い。

gyao.yahoo.co.jp

東宝円谷英二特技監督の映画最終作となった『日本海大海戦』やNHKが長編ドラマ化した『坂の上の雲』と同じ戦場を舞台に、『二百三高地』のスタッフが結集。1980年代の日本映画としては珍しい大作戦争映画として完成した。

古き良き東宝戦争映画と違って、東映らしく予算をそそぐ部分をしぼっているところが特徴。日本とロシアの艦隊を俯瞰するのではなく、旗艦の三笠をピックアップして、必要最小限のセットや人間関係を作りこむ。

そのためミニチュアも三笠の他は、少ないロシア艦が映るだけだったりするが、全景を見せるために小さなミニチュアでなくて良いためか、特撮のスケール感は悪くない。冒頭のドッグで三笠を改修する場面など、実物大セットで軍艦の巨大さを印象づける場面も多い。砲撃戦のディテールも細かく、時代を考慮して観れば充分に楽しめるだろう。

 

ドラマとしても華々しい伝説を残す将校でも、末端で奮闘する水兵でもなく、軍楽隊を中心にしている。戦闘を専門としない、音楽で鼓舞する部署だからこそ、戦争との距離感に葛藤が生まれる。

他に水兵仲間に高利貸ししている砲員長の佐藤浩市や、戦争に行くからと手切れ金をわたされた三原順子など、味わいぶかい脇役が多い*1

そして日本軍の圧勝として終わったバルチック艦隊との戦いを、楽器のかわりに武器を持たされた軍楽隊の視点から、悲惨な戦場として描いていく。戦争そのものの勝敗は異なるが、後の東映戦争映画『男たちの大和/YAMATO』に似たテイストで、激しい砲撃戦で命を散らす末端の兵士によりそっている。

*1:三原順子が八紘一宇を肯定するような保守政治家になった今から見ると、配役からして皮肉だ。「八紘一宇」とは何か? 三原じゅん子議員が発言した言葉はGHQが禁止していた

人気OVAをTVアニメとして分割修正『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096』(全22話)配信開始:2017年11月20日

ニチアサで放映されたロボットアニメが初無料配信。月・木に1話ずつ1週間無料。

gyao.yahoo.co.jp

もともと福井晴敏が書いた『機動戦士ガンダム』の正当外伝小説を2010年からアニメ化して完結した作品を、部分的に映像の修正を加えながら2016年にTV放映したもの。

当初は新たなエピソードを追加すると発表されていたが、放映枠がスポーツ番組などでつぶれたため、ほぼOVAのまま再構成するにとどまった。

 

OVAは『るろうに剣心』で知られる古橋一浩監督が手がけ、そつのない映像化がなされ、シリーズファンには好意的に受けいれられた。

もともと古橋監督がアニメーター出身ということもあり、画面のすみずみまでコントロールされ、ていねいな無重力表現からキャラクターの細やかな芝居はもちろん、これが初ロボットアニメ作品とは思えないほどメカの魅力にあふれた表現が楽しめる。

それをブラッシュアップしたことで、映像の良さにみがきがかかり、メカアクションを見るだけでも楽しめるだろう。地上波放映は子供向け時間帯なため、時刻表示やテロップが大きく表示されていた。そのようなノイズがないことが素直に嬉しい。